最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)1328 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人長谷川天地上告趣意第一点について。
原審公判調書の記載によれば、判示のごとき被告人の供述のあつたことは、認め
られ得る。すなわち、所論の一及び二の部分は、記録二六九丁表以下において、裁
判長は第一審判決理由摘示の犯罪事実を読聞けてこの事実は如何と問うたのに対し、
被告人はそのとおり相違ありませんと述べていることから認められる。また、三の
部分は、記録二七〇丁裏及びそこで裁判長の読聞けた九二丁裏ないし九三丁表の記
載によつて認められる。論旨は、それ故に理由がない。
同第二点について。
第一審第一回公判調書中第一審相被告人Aの供述記載によれば、裁判長の公訴事
実を告げ事件について陳述することがあるかどうかとの訊問に対し、右Aは、「全
部事実相違ない」と答えている(記録一五七丁表)。強姦について被告人BとA、
Cと共謀した点は、記録一六八丁裏ないし一六九丁表の供述記載によつて認められ
る。それだから、原判決が第一審第一回公判調書中相被告人Aの判示同趣旨の供述
記載とその他の挙示証拠とを綜合して、判示事実を認定したことは正当である。論
旨は、それ故に理由がない。
同第三点について。
被告人がA及びCと共謀して強盗をなし、さらに三名意思を通じてすなわち共謀
して被害者三名に対し強姦したことを、原判決は認定しているのである。被告人及
び他の両名は、共謀して被害者三名に対して強盗強姦罪を犯したわけである。強盗
強姦罪は強盗たる身分を有するものが、強姦をする犯罪であり、個人の専属的法益
(婦女の性的自由)を侵害する罪である。従つて、その犯罪の個数は各被害者の数
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によつて算定さるべきものである。だから、被告人等は共謀して三個の強盗強姦罪
を犯したものであつて、併合罪として取扱うを当然とする。所論は独自の見地に立
つて原判決の判示せざる事実を仮想して、独自の見解を述べているに過ぎない。原
審における法律の適用は正当であつて、論旨は採ることを得ない。
よつて旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
検察官 十蔵寺宗雄関与
昭和二四年八月一八日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 真 野 毅
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 岩 松 三 郎
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